マシニングセンタとは

マシニングセンタとは、NC（数値制御）装置を備えた工作機械の1つで、NCフライス旋盤を基にATC（工具自動交換装置）などを追加し複合化した工作機械です。そのため、フライス盤同様に被加工物に対し、回転している工具を移動させて切削加工を行います。マシニングセンタでは、 フライス削り、穴あけ、中ぐりなどの切削加工を１台の機械で行うことができます。また、マシニングセンタを用いた切削加工をマシニング加工と言います。

マシニングセンタの構造

マシニングセンタを構成している主な部品２つを紹介します。

NC装置

NCとはNumerical Controlの略称で工具や加工工程などに関連する情報を数値情報によって制御する制御方式のことです。NC装置を用いた数値制御をするためにはNCプログラムを用います。NCプログラムにより自動加工することで加工中は無人化できることや、同じ製品の加工精度が一定になるなどの利点があります。

ATC

ATCとはAutomatic Tool Changerの略称で、加工に用いる工具をマシニングセンタがプログラムに応じて自動で交換する装置のことです。これにより工具交換による機械の停止時間が無くなり、加工にかかる時間が大幅に短縮されます。

マシニングセンタ加工の流れ

①CADによる設計図作成

CADを用いて図面及び３Dデータを作成します。

②CAMによるNCプログラムの作成

図面や３Dデータを基に、プログラムを作成します。加工形状、使用工具、送り速度、回転数など様々な数値情報を設定します。作成したプログラムはマシニングセンタに読み込ませます。

③材料・工具のセット

治具を用いて材料を加工テーブルに固定します。また、加工に用いる工具をマシニングセンタにセットします。この際、プログラムとマシニングセンタにセットした工具の順番を合わせます。そして、基準点の設定、工具の計測、XYZ軸などの位置合わせを行います。

④加工

加工の際は、まず、荒削りで荒削りで大まかに加工し、その後、実際の寸法や形状となるように仕上げ加工といった手順で加工します。そのため、プログラムを作成する際はこの手順になるようにします。

マシニングセンタの種類と特徴

マシニングセンタには様々な形式のものがありそれぞれに特徴があります。ここでは、マシニングセンタの種類と特徴について紹介します。

・立型マシニングセンタ

主軸が縦向きになっていて、主に被加工物の上面を加工する際に用いられます。図面と材料の向きが同じであるため切削状況などを把握しやすいです。加工テーブルの上に主軸があるため他のマシニングセンタに比べて設置スペースが小さいです。

・横型マシニングセンタ

主軸が横向きになっていて、被加工物の側面を加工するのに適しています。そのため、材料の付け替え（段取り）の回数が少なくなり、加工精度が高いです。また、主軸が横向きであることで切粉が下に落ちるため加工の邪魔になりにくくなっています。

・門型マシニングセンタ

縦向きの主軸を「門」の形をした機体で支えているマシニングセンタです。大型のものが多く、加工テーブルが広いため船舶や飛行機などの大きな金属部品の加工に用いられます。

・5軸制御マシニングセンタ

従来の立型マシニングセンタでは、主軸の幅・奥行・高さの3軸での加工を行っていましたが、そこに加工テーブルの回転・傾斜の2つを加えた5軸での加工を行うマシニングセンタのことです。5軸になることで3軸では加工できなかった複雑な形状の加工も可能です。

マシニングセンタは備えているNC装置やATCなどの機能により高い精度の加工を自動で行うことができます。また、マシニングセンタには様々な種類があり、それぞれに特徴があるためそれらを十分に理解し、加工したい形状に最適な種類のマシニングセンタを選択することが重要です。

弊社での製品事例

本記事で解説したマシニングセンタを使用し、弊社で製作した製品について紹介します。

ブラケット　直角度　SS400　焼鈍

スペック・仕様

材質	SS400焼鈍材
ロット	10ヶ/ロット
大きさ	120×140×200
公差レベル	直角度0.01～一般公差
納期目安	約１～1.5ヶ月
金額	10万円以上50万円未満
製品用途・業界	エネルギー(発電機、タービン、原子力)

本製品は、エネルギープラントで使用される輸送用のブラケットです。材質はSS400焼鈍材を使用しております。

弊社では焼鈍等の熱処理を含めたワンストップ対応が可能です。製品によって溶接が良いのか、削り出しが良いのか、そのメリット、デメリットも含めた設計提案が可能です。

プレート　黒アルマイト　個人　図面作成から対応

スペック・仕様

材質	A5052
ロット	2ヶ/ロット
大きさ	4×120×200
公差レベル	一般公差
納期目安	約3週間
金額	1万円以上10万円未満
製品用途・業界	建築、建材

本製品は音響機器の取付けに使用されるプレートです。材質はA5052を使用しております。

今回の製品は図面がなかったため、お客様から綿密にヒアリングを行い、製作いたしました。弊社では本製品のように図面が無い場合でも対応可能となっております。 また、黒アルマイトなどの表面処理も小ロットから対応しております。個人のお客様からの依頼も承っております。

その他にも製品事例を掲載しておりますので以下のサイトもぜひご覧ください。＞＞＞その他製品事例についてはこちら

以上、マシニングセンタとは、その種類と特徴、弊社での事例についてもご紹介いたしました。

加工の相談窓口を運営している株式会社今橋製作所では、本記事で解説しましたマシニングセンタを多数保有しております。横型、同時5軸などお客様のご要望に沿った製品加工に適した設備を用いて加工を行います。本記事の事例のような簡単な形状からCAMを用いた複雑な形状の加工まで幅広く対応しており、最適な材質選定、加工方法等をご提案させていただきます。技術相談も承りますので、ぜひ一度ご相談下さい。