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鋳物の切削加工を行う理由とは?加工が難しい理由も解説します!

鋳物の切削加工を行う理由とは?加工が難しい理由も解説します!

技術情報

鋳物とは、高温で溶かした金属を製品の形状に対応した型の空洞部に流し込み、それを冷やし固めて作られた金属製品です。今回はそんな鋳物の機械加工(2次加工)について解説していきたいと思います。

>>>鋳物とは?前回の記事はこちら

鋳物に機械加工(切削加工)を行う理由とは?

鋳物・ダイカスト鋳造品は大半の場合、金属を溶かして型に流し込む鋳造工程後に、マシニングを始めとした工作機械による切削加工(2次加工)が行われます。なぜ鋳物・ダイカスト鋳造品には、切削加工が必要なのか、その理由を以下に解説します。

鋳物は少ない工程で制作できる一方で、型の寸法精度や冷却時の収縮等の影響で切削加工と比較すると、寸法精度が非常に低い水準にあります。そのため精度が求められる機械部品を鋳物で製作する場合、もともと機械加工を行うことを前提に設計されていることがほとんどです。図面よりも数mm削り代をとって鋳造し、後からマシニングや旋盤等で切削加工し高度な寸法精度へと仕上げていきます。また、面粗度も低く、ダイカスト鋳造であっても一般的にはRa3.0前後までしか実現することができません。そのため鋳造後に、面削り加工を行い、面粗度を高くする必要があります。その他にも、鋳造では出来ない複雑な形状を切削加工で削り出すこともあります。

このように、鋳造だけでは難しい寸法精度をクリアするために追加工として機械加工(切削加工)を行います。部品の形状や生産量によって適切な工法を選択し組み合わせることにより、高精度の部品を大量生産することが可能です。

鋳物切削加工が難しい理由

先に説明した通り、鋳物に追加工をすることで製品の精度は格段に向上します。しかし、鋳物の切削加工は豊富な経験や技術が必要で非常に難しいため、加工業者は近年減少傾向にあります。なぜ鋳物の切削加工が難しいのか、その理由を以下に詳しく解説していきます。

① 鋳物の切粉が工作機械・作業環境に悪影響がある

鋳物の切削加工時に発生する切粉は、パウダー状で非常に細かく舞いやすいという特徴があります。その切粉が工作機械の部品隙間に入り込むと、目詰まりや摩耗など故障や劣化の原因になります。また、同一工場内で加工する他の製作物への付着も注意が必要です。さらに、作業者が粉塵を吸引してしまうと、健康被害が出てしまうこともあります。

そのため、鋳物の切削加工は粉塵対策を万全にしておく必要があります。

② 鋳物の品質にばらつきがある

鋳物の切削加工は2次加工ですので、製造された鋳物を加工します。鋳造という加工法の特性上、鋳造会社ごとに品質が異なるケースが多く、同一会社内で製造していてもロットごとに製品品質にばらつきが発生することもあります。

支給材料の品質が不安定ですので、加工精度を満たすためには鋳物加工に関するノウハウ・知見が必要です。

③ 鋳造不良による加工ロスが起きることがある

鋳物への加工途中に鋳巣・割れ等の鋳造不良が見つかった場合、それまでの加工時間が無駄になり、歩留まり悪化に繋がります。

④ 手間や工数が多い

年々国内の鋳造会社が減少し、鋳物の供給先の確保が難しくなっています。鋳物の調達を含めて加工を行う場合には、少ない鋳造会社中から供給先を選定し、品質管理まで行わなければならず、手間がかかります。

⑤ 専用治具の製作が必要な場合が多い

加工内容や形状が複雑な場合が多く、材料を固定するため専用の加工治具が必要になります。専用治具を製作しなければならないため、小ロット品であっても作業工数が増加し、製作に多くの時間がかかってしまいます。

鋳物は比較的少ない工程で製作できることから大量生産に向いていますが、精度が求められる製品では追加工て切削加工を行わなければいけません。また、製品の用途によっては、穴あけ加工やタップ加工などの機械加工が必要になることもあります。

しかしながら、本記事で解説した通り、鋳物の切削加工は技術的にも難しく、手間や工数がかかります。そのため、ノウハウがある鋳物加工業者に依頼することが大切です。

弊社での製品事例

本記事で解説した鋳物ついて、弊社で切削加工した製品について紹介します。

アルミ鋳物加工 AC4C  中ロット Oリング溝

スペック・仕様

材質アルミ鋳物(AC4C)
ロット10ヶ/ロット
大きさ120×350×470
公差レベル±0.02~一般公差
納期目安約1ヶ月
金額1万円以上10万円未満
製品用途・業界産業機器

本製品は、ガス昇圧機に使用されるケーシング(鋳物支給)です。材質はアルミ鋳物(AC4C)を使用しております。

今回の製品は、ガス昇圧装置に使用される部品のため、リークがないようにする必要があります。そのため、Oリング溝および取り付け部については旋盤加工を施しました。

鋳物加工 ブラケット FC200 材料調達

スペック・仕様

材質FC200
ロット10ヶ/ロット
大きさ60×200×300
公差レベル±0.01
納期目安材料調達含み1.5ヶ月
金額1万円未満
製品用途・業界産業機器

本製品はリチウムイオン電池の製造ラインに使用される部品です。材質はFC200を使用しております。
材料調達~機械加工~塗装まで一貫しての対応が可能です。

その他にも製品事例を掲載しておりますので以下のサイトもぜひご覧ください。>>>鋳物加工の製品事例についてはこちら

以上、鋳物切削加工を行う理由、鋳物切削加工が難しい理由、弊社での事例についてもご紹介いたしました。

加工の相談窓口を運営している株式会社今橋製作所では、本記事で解説しました鋳物の切削加工の製作実績が多数ございます。長年培ってきたノウハウを生かし、高精度な鋳物加工を行っております。また、技術相談も承りますので、ぜひ一度お気軽にお問合せ下さい。

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