加工部品の製作・調達はお任せください。

加工の相談窓口

電話応対時間 AM9:00~PM5:00

0294-39-1161

旋盤加工とは?加工機・加工方法の種類を解説します!

旋盤加工とは?加工機・加工方法の種類を解説します!

技術情報

自動車や機械の部品、調理器具やアウトドア用品など、私たちの身の回りにある様々な製品を製作するには、材料を削りながら加工していく切削加工が利用されています。

切削加工の中でも、欠かせない製造方法である旋盤加工。そこで今回は、旋盤加工について使用する加工機や、加工の種類を解説します。

旋盤加工とは

旋盤加工とは、切削加工の一種で固定した切削工具に回転させた加工物を当てて切削する加工方法のことをいいます。本来、加工物を回転させ、固定した工具に当てて削る加工は旋削加工と呼びますが、旋削加工の大半が旋盤加工機を使用した加工であるため、旋削加工の一種である「旋盤加工」が旋削加工の意味で使われるようになっています。

材料を回転させて加工を行うため、特に丸物と呼ばれる円形または円筒形のものの加工に適しています。旋盤加工で製作される代表的な部品には、シャフト(軸)、フランジ、継手などがあります。また、材料を切り出すだけでなく、溝を掘ったり穴をあけたりすることもできます。

旋盤とは逆に、固定した加工物に回転させた切削工具を当てて加工する方法をフライス加工と呼びます。フライス加工では工具を回転させて加工を行うため、形状が四角い角物の加工に適しています。

旋盤とフライスの違い

旋盤加工は、鉄、ステンレス、樹脂など様々な材料を高精度で加工することが出来るため、多くの部品加工に使用されています。

旋盤加工機の種類

旋盤加工機は構造や加工方法によっていくつかの種類に分けられます。代表的な旋盤加工機の種類について、解説していきます。

汎用旋盤

加工に関わる全ての操作を手動で行う旋盤です。普通旋盤とも呼ばれます。主軸台・心押し台・往復台・送り装置・ベッドという部品で構成されており最も一般的な旋盤です。

ハンドルやレバーなどを手動で操作し、切削工具(バイト)を稼働させるため、高精度の加工を行うには作業者のスキルが非常に重要です。

作業に入るまでの準備が短時間で済む、作業中に変更や修正、追加工が出来るなどのメリットがあります。手動で一つずつ加工するため、大量生産には向きませんが特注品や試作品などの少量生産に使用されることが多いです。

NC旋盤

汎用旋盤にNC(Numerical Control、数値制御)装置が組み込まれた旋盤です。縦、横、高さ(XYZ)の座標軸を設定し、バイトを動かすプログラムを作成し自動で加工を行います。

加工前にプログラムを作成する必要がありますが、プログラム通りに自動で加工するため、作業者のスキルに関わらず安定した品質で加工することが可能です。そのため、大量生産に適していますが、試作品や特注品など少数ロットの生産、修正や追加工が必要な製品には向いていません。また、プログラムにミスがあった場合気付きにくい、プログラム作成やテスト稼働などの工数が増えるといったデメリットもあります。

近年では、数値制御をコンピュータによって行い、より高精度かつ高速な加工が行えるCNC旋盤が主流となっています。

卓上旋盤

作業台や机の上に設置できる小型の旋盤です。構造や操作方法は汎用旋盤と同じで、ベンチレースとも呼ばれます。汎用旋盤では対応が難しい小さい部品の加工や、大きな機械の設置が難しい場所などで使用されます。

加工物を固定するチャックはコレットという筒状の装置で挟みこむコレットチャックを使用しています。コレットチャックを用いることで芯を出しやすく脱着が容易にできる、加工物とチャックの接触面積が広くなることにより、薄肉の製品でも変形することがない等のメリットがあります。

加工時間も短く作業効率が高いため、小さい部品の連続加工や趣味や教育目的、試作品の作成などに適しています。

立旋盤

一般的な汎用旋盤は加工物を横向きに固定し、主軸を床と水平方向にして加工を行うのに対し、加工物を縦方向に固定し、主軸を床と垂直方向にして加工を行う旋盤を立旋盤といいます。

横向きで行う汎用旋盤などでは、長いものや重いものを回転させると、重力や遠心力によってたわみが発生し芯ズレを起こす可能性があります。立旋盤では垂直方向の主軸に加工物を取り付けるため、長く重たいものでも芯のズレが起こりません。そのため、大型製品や重量の大きい製品、形状がアンバランスな部品などの加工に適しています。

正面旋盤

汎用旋盤と同じく、主軸は横向きですが、チャックではなく面盤という円状の部品で加工物を固定して加工を行う旋盤です。チャックよりも大きな面盤によって加工物を固定するため、径の大きな製品の加工が可能です。

加工時に切りくずが下方向に落ちるので、加工物に傷がつきにくく、切りくずを巻き込まないため連続加工がしやすいというメリットがあります。ただし、大きな材料を加工する際は重力の影響で加工物がたわんでしまい高精度な加工が難しいため、正面旋盤の代わりに立旋盤が使われることが多くなっています。

タレット旋盤

タレット旋盤とは、汎用旋盤の心押し台の代わりに複数の切削工具をセットできる回転式の刃物台(タレット)が付いている旋盤です。あらかじめ複数の切削工具を装着しておけばタレットを回すだけで切削工具を切り替えることが出来るので、工具交換が不要になり加工時間を短縮できます。そのため、生産性が高く、中・大量生産に適しています。

近年では、大量生産にはNC旋盤を利用することが多くなりましたが、手作業で微調整が必要な高精度を求められる製品や特殊な加工にはタレット旋盤が活躍しています。

複合加工旋盤

NC旋盤にフライス加工の機能を搭載した高性能な旋盤です。一般的にはターニングセンタと呼ばれます。1つの機械で旋盤加工からフライス加工まで行えるため、数種類の機械を使って完成させていた部品を1台で仕上げることが出来ます。 加工物の着脱作業や加工工数の削減により加工時間を短縮出来ます。また、加工物を取り付け直す必要がなく位置ズレを防ぐことが出来るため、高精度な加工が可能です。さらに、複数の機械を1台に集約出来るため、省スペースにもつながり工場全体の生産性の向上が出来ます。

旋盤加工の種類

続いて、旋盤加工の種類について代表的なものを紹介します。

外径加工

加工物の外側(外周)を削る加工です。旋盤加工の中で最も一般的な加工です。大きな材料をおおまかな形に削りたいときや、表面加工によく使われる加工方法です。切りくずが外側に発生するため、切削工具に絡まないよう注意が必要です。

外径加工は、さらに外丸削り・段削り・テーパ削り・曲面削り・溝入れ・突切り・ローレット切りなどの細かい種類に分類されます。

外丸削り

加工物の外側を円柱状に削る加工です。旋盤を使った基本の加工方法です。エンドミルの側面を使用すれば四角・六角形状にも加工することができます。切削面が製品の寸法に直結するため、高い加工精度が求められます。

段削り

外丸削りを複数回行い、階段状の段差を作っていく加工です。

テーパ削り

先端が徐々に細くなっていく(テーパ)円錐状に削っていく加工です。切削工具を当てる角度を少しずつ調整し、外周を斜めに削って勾配を作り円錐形にします。工具を当てる角度は任意で調節できるので、テーパの大きさも調整可能です。

曲面削り

加工物の外側を曲面状に削る加工です。加工物を縦方向・横方向に動かし、曲面・球面形状を作ります。数値制御できるNC旋盤などで行うのが一般的です。

溝入れ

加工物に溝を作る加工です。材料に対して垂直方向に工具を当てて削っていきます。水平方向に工具を動かすのは危険があるので、原則禁止となっています。

突切り

加工物中心部まで溝入れを行い、切断する加工です。溝入れ加工と同様、工具は垂直方向にしか動かすことができません。

突切り加工に使用する突切りバイトは刃が細く壊れやすいため、硬い金属を加工する際は、粘りの高い工具を使用する、回転数を落とし切削油を使用し摩擦を減らすなど刃が折れないように工夫が必要です。加工中の振動や音から状況を判断し作業しなければならないため、作業者の技術力が必要になります。

ローレット切り

加工物の外側に網目状の模様をつける加工です。滑り止めの役割も果たします。

端面加工

加工物の端面を削る加工です。端面を削り表面を平面に仕上げる端面削り、端面に段や溝を作る正面削り、角にできたバリを削る面取りなどの種類があります。工具を送る角度や速度を調整して加工していきます。

内径加工

加工物の内側に工具を当てて内径を削る加工です。穴あけ加工や中ぐり加工などの種類があります。

加工部が外側から見えないため、外径加工に比べると加工難易度が上がります。

穴あけ加工

ドリルを使用し加工物に穴をあける加工です。切りくずが穴に溜まりやすいため、こまめに切りくずを排出しながら加工します。

中ぐり加工

穴あけ加工によってあけた穴を削り広げる加工です。穴加工と同様に切りくずが穴に溜まりやすいため、定期的に切りくずを除去する必要があります。

加工する穴の深さに応じた長さの切削工具を使用します。長い切削工具を使用する際は、たわみやビビりが発生しやすく精度が狂いやすいため、加工の難易度が高くなります。

ねじ切り加工

加工物に工具を当て、ねじ山を作る加工です。ねじのサイズやピッチに合わせたねじ切りバイトを使用し、加工物の回転周期に合わせて一定のスピードで加工を行います。

加工物の外側にねじ山を削る「おねじ」と、内側にねじ山を削る「めねじ」の2種類があります。めねじ加工は加工部の様子を確認できないため、加工の難易度が高くなります。

総形加工

あらかじめ所定の形状に成型された工具を押し当て、加工物の広い範囲を一気に削る加工です。複雑な形状でも、効率的に加工することが可能です。 総形バイトと呼ばれる工具が使用されます。

このように、旋盤加工には様々な種類があります。

高精度の製品を効率よく製作するには、加工物の材質の特性や形状を考慮し、適切な加工方法を選択することが重要になります。

弊社での製品事例・動画紹介

本記事で解説した旋盤加工について、弊社で加工した製品を紹介します。

パイプ SUS304 小ロット 短納期

スペック・仕様

材質SUS304
ロット2ヶ/ロット
大きさφ30×80
公差レベル一般公差
納期目安約1~2週間
金額1万円以上10万円未満
製品用途・業界半導体製造装置

真空装置使用されるパイプです。

ステンレス材を旋盤にて切削加工しました。この製品の加工は特に難しくはありませんが短納期での対応が可能となっております。

その他にも製品事例を掲載しておりますので以下のサイトもぜひご覧ください。>>>弊社製品事例についてはこちら

旋盤についての動画も弊社公式youtubeにupしております。ぜひご覧ください。

以上、旋盤とは、旋盤加工機の種類、旋盤加工の種類、弊社での事例・動画についてもご紹介いたしました。

加工の相談窓口を運営している株式会社今橋製作所では、本記事で解説しました旋盤加工の加工実績が多数ございます。長年培ってきたノウハウを生かし、薄肉加工や複雑形状の旋盤加工品の対応も可能となっております。また、技術相談も承りますので、ぜひ一度お気軽にお問合せ下さい。

お問合せ・お見積り依頼

電話応対時間 AM9:00~PM5:00
0294-39-1161

お問合せ・お見積り依頼はこちら