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レーザー加工とは?その種類と特徴を解説します!

レーザー加工とは?その種類と特徴を解説します!

技術情報

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金属を加工する際の一つの加工法として用いられるのが、「レーザー加工」。

近年では、その有用性から工業の分野ではもちろん医療の分野などさまざまな業種で利用されており、レーザー加工の技術は製造現場にとって欠かせないものといえるでしょう。

この記事では、そんなレーザー加工の種類や特徴、メリット・デメリットについて解説します。

レーザー加工とは

レーザー加工とは高密度のレーザーを金属や木材などの材料に照射し、融解・蒸発させて切断や穴あけ、彫刻などを行う加工方法のことです。レーザー加工は、太陽の光を虫眼鏡で集め、紙を焦がすのと同じ原理で、レーザー光をレンズやミラーを用いて集光させ、極めて高いエネルギーをもった光を照射し熱で材料を溶かして加工していきます。

レーザー加工機は光線の強さや照射位置を簡単に調整可能なので、手作業での加工と比べると大量で均一、素早く加工することが可能です。手作業では難しい複雑な加工も容易にでき、金属や木材だけでなく、柔らかくて加工が難しいゴム素材や布地にも簡単に加工が出来るため、工業分野だけでなく医療分野などの幅広い分野・業種でレーザー加工が導入されています。

金属へのレーザー加工例
引用:富士酸素工業株式会社

レーザー加工の種類

レーザー加工のレーザーにはいくつか種類がありますが、金属加工用として一般的に使われている3種類について簡単に説明していきます。

CO2レーザー

CO2レーザーは炭酸ガスを媒質にしたガスレーザーの加工機です。レーザー加工機のなかでも最も使用されている加工機です。金属、木材、アクリル、ゴム、ガラスなど幅広い素材に対応しています。これからご紹介するファイバーレーザーに比べ導入コストが安く、特に厚板を加工する場合に良質な切断面を得ることができます。

ただし、銅やアルミといった反射率の高い金属の加工には不向きとなっています。

CO2レーザーの仕組み

ファイバーレーザー

ファイバーレーザーは光ファイバーを媒質にした固体レーザーの加工機です。ガスレーザーのCO2レーザーとは異なり、ダイオードポンプを通してガラスファイバーでエネルギーを増幅する仕組みです。近年開発されたもので、CO2レーザーでは不向きな銅やアルミなどの金属の加工が可能です。

加工機自体は高額ですが、レーザーガスが不要な点や、エネルギー効率が高い点、発振器のメンテナンスが簡単である点もあり、とランニングコストが安く抑えられます。導入時にはイニシャルコストとランニングコストのバランスを検討する必要があります。

ファイバーレーザーの仕組み

YAGレーザー

YAGレーザーは人造結晶を使った固体レーザーの加工機です。レーザーを発生させるために使っている元素「イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)」の頭文字から「YAG」と呼ばれています。鉄やアルミ、ステンレスなどの金属や樹脂の溶接やマーキング使われており、医療分野では歯や目の治療にも使用されています。溶接では薄い素材でも変形や歪みがなくきれいに仕上げることができ、溶接スピードも早くできます。

高性能なYAGレーザー加工機ですが、CO2レーザーと比較すると加工機の値段やランニングコストが高くなってしまうという点は注意が必要です。

YAGレーザーの仕組み

レーザー加工のメリット・デメリット

レーザー加工のメリット

① 仕上がりがきれい

レーザー加工は、レーザーを集光し局部的な加工が行えるため、刃物で加工した際のような粉塵が付着することが少なく、バリやカエリが発生するのを抑えられるので、切断面がきれいに仕上がります。切断面がきれいに仕上がるため、後処理工程が必要なく、加工時間を短縮することが可能です。また、非接触で材料に無駄な力をかけずに加工するため、歪みやひび割れの発生も抑えることができ、安定した品質を保つことができます。

② 作業効率が良い

基本的に金属を加工する際は、金型が必要になります。しかし、レーザー加工ではパソコンでプログラムを作るため、一度作った後はデータを入力するだけで均一な製品を大量に生産できます。金型が必要ないため、金型の製作やセット、交換、メンテナンスの手間やコストが抑えることができ、作業効率が非常に良くなります。

③ 加工の自由度が高い

レーザー加工ではレンズや照射の出力を変えることで、幅広い素材を加工することができます。加工が困難な高融点材料、耐熱合金類、セラミック、宝石やダイヤモンド等の高脆弱材料や皮革、布地などの柔らかいものまでさまざまな種類の素材の加工も問題なく加工可能です。また熱で変形してしまうような薄版の素材でもレーザー加工なら加工できます。

レーザー加工は、穴あけや切削以外にも文字書き込むマーキング、複雑な絵柄を描くことや彫刻などさまざまな加工が可能で、加工の自由度が高いのも特徴です。

従来、いろいろな製品を作るには、複数の加工方法を利用する必要がありましたが、レーザー加工はさまざまな素材にさまざまな加工をすることができます。

④ 複雑で微細な加工が可能

レーザー加工は機械に図面データを取り込むため、他の加工方法では難しい複雑かつ微細な加工が可能です。レーザーの細い光によって、他の加工機器ではできないような細部への穴あけや複雑な曲線の切断、ピンポイントの加工なども精密かつ正確に加工することができます。また、複雑な文字や絵柄の描写、シリアル番号やバーコードなどの彫刻、錆びにくさを向上させるなどの様々な表面加工も出来る常に便利な加工法となっています。

⑤ メンテナンスに手間が掛からない

レーザー加工では材料と工具が接触しないため、刃物や研削盤などの消耗がなくメンテナンスに手間が掛かりません。

また、刃物で材料を切る際は粉塵が発生し除去しなければならないですが、レーザー加工では粉塵が発生しないため、除去する手間も省けます。

レーザー加工のメンテナンスは、ミラーやレンズをきれいにしたり、アシストエアーを清掃したりする程度で交換作業も必要がないため、生産効率の向上にもつながっていきます。

レーザー加工のデメリット

① 加工速度が遅い

レーザー加工は、切削加工やプレス加工などの直接刃物で加工する方法と比べると、加工速度が遅くなります。非接触加工のレーザー加工は、レーザー光の集中や対象物の溶解などに時間を要するため、加工全体の時間がかかります。レーザー加工機の切断速度を上げることは可能ですが、速度が上がればバリやカエリなどが発生しやすくなるため、後処理が必要となり全体としての加工時間は長くなってしまいます。

速度重視の加工なら、切削加工やプレス加工の方が適しています。

② 厚板の素材は加工しづらい

レーザー加工には、レーザーの光が集中している集中している箇所があり、その焦点距離の範囲でないとエネルギー密度が低下して材料が溶かせなくなり、加工できなくなってしまいます。レーザーは真下に向かっているように見えて、実は光線同士が交わっています。

この焦点の位置からずれてしまう厚みのある材料は加工がしづらく、プログラム通りに加工が出来ない可能性があります。

③ コストが高い

さまざまな素材の加工が可能なレーザー加工機は性能がいい反面、高価になります。さらに、他の加工機器と比べて多くのエネルギーを使用するため電気代やガス代等の光熱費も高くなり、焦点レンズやミラーの交換費用もかかります。

レーザー加工機は精密機械に分類されるので扱いには注意を払い、長く使用するためには定期的なメンテナンスが必要です。

レーザー加工は、複雑できれいな製品を効率よく製作することが出来ますが、その反面高価で加工がしづらい素材もあります。製品によってコストや精度、納期などさまざまな面を考慮し、適切な加工法を選択していくことが重要です。

以上、レーザー加工とは、その種類と特徴、メリット・デメリットについてもご紹介いたしました。

加工の相談窓口を運営している株式会社今橋製作所では、本記事で解説しましたレーザー加工にも対応しております。簡単な加工から複雑な形状の加工まで幅広く対応しており、最適な材質選定、加工方法等をご提案させていただきます。また、技術相談も承りますので、ぜひ一度お気軽にお問合せ下さい。

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