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三次元測定機とは?その使用方法・種類と特徴を解説します!

三次元測定機とは?その使用方法・種類と特徴を解説します!

技術情報

三次元測定機とは

三次元測定機とは、別名Coordinate Measuring Machine CMMと呼ばれる測定機の一種です。下記の図のような門型の構造のものが一般的で、Cのステージ上に対象物(ワーク)を置き、対象物に対してBのプローブ先端の接触子をAの移動ブリッジを動かすことで当て、縦・横・高さ(X・Y・Z)の座標を取得し、寸法や幾何公差などを高精度に測定することが出来ます。また、そのほかにもそれらの測定データを基にさまざまな値を算出することが出来ます。三次元測定機の制御はDのような制御部で行います。

三次元測定機のメリット・デメリット

メリット

・ノギスなどの他の測定器で測定できない複雑な形状の測定が可能。

・マイクロメートル単位の高精度の測定が可能。

・平面度、真円度などの難しい幾何公差の測定が可能。

・同じ形状であれば測定にかかる時間の大幅な短縮が可能。

デメリット

・三次元測定機は1台数千万円と導入コストがとても高額であり、メンテナンスにもコストがかかる。

・初めに測定する際に座標などの設定が必要になり時間がかかる。

・三次元測定機の種類や対象物の材質などによって測定不可能なものがある。

三次元測定機の使用方法

三次元測定機を用いた測定の手順を簡単に説明します。

準備・スタイラスのキャリブレーション(初期設定)

三次元測定機で測定する対象物は、熱膨張による誤差を防ぐためにあらかじめ測定の5時間以上前から測定室に置き、室温(20℃推奨)にならします。次にスタイラス(接触子)のキャリブレーションを行います。これにより、スタイラスの球中心座標を認識させ、スタイラスの球直径を設定すれば球が触れた対象物の点の座標を演算することができます。

位置合わせ(アライメント)

三次元測定機には、三次元測定機に規定されている機械に対する固有の座標である機械座標系と対象物の中に設定される原点を変更できるワーク座標系があります。対象物の置き方によって対象物の軸と機械座標の軸が異なる場合があるため、2つの座標系から対象物の向きと基準座票の向きを合わせることを位置合わせといいます。

ワーク座標系設定

ワーク座標系の設定について説明します。ワーク座標系の設定は、基準面・基準線・原点の3つを設定することで完了します。一般的に、基準面を設定するとその面に垂直方向をZ軸。基準線はX軸、基準面と基準線の両方に垂直方向をY軸となります。最後にX・Y・Z軸すべての値が0となる原点を決めることでワーク座標系の設定が完了となります。

測定

測定をする時は、まず「要素」を選択します。要素は平面・線・点・円・円筒・球などがあり、それぞれに最低測定点が定められているのでそれを満たすように対象物にスタイラス先端を接触させ測定点を測ると要素を測定することができます。測定した要素どうしの距離や角度を演算することで寸法や三次元形状を測定することができます。

三次元測定機の種類

三次元測定機は先ほど紹介した門型のものが一般的ですが、近年は様々な種類が増えてきています。
一般的には以下の3種類があり、それぞれの特徴を紹介します。

卓上型

小型の対象物を高精度で測定することが得意で占有スペースが少ないことが特徴です。しかし、逆に大型の対象物の測定はできず、振動や揺れに弱いです。

ハンディ型

ハンディ型では手持ちのプローブを対象物に当てて測定します。軽量で持ち運びができるためどこでも測定ができる点が特徴です。さらに耐環境性に優れているため測定室の必要がなく、門型よりリーズナブルで可動部がないことからメンテナンスの必要がないためランニングコストもかからないです。しかし、大型の対象物の測定には向いておらず、測定結果にバラつきが生じることが問題点として挙げられます。

アーム型

アーム型は関節が複数搭載されており、多方向から対象物の測定をするため門型で対応できない形状やサイズを測定することができます。そして、卓上型ほどではありませんが占有スペースが少ないことが特徴です。しかし、可動部のねじれやたわみにより測定精度が門型よりも低いことがデメリットです。

測定方法による分類は主に以下の2種類があります。

接触型

接触型とは、前述したプローブを対象物に接触させて測定する方法です。直接測定するため高精度な測定をすることが出来ます。

非接触型

非接触型とは、対象物にレーザーを照射し、対象物に直接触れずに三次元情報を取得し測定する方法です。直接触れずに測定するため対象物を傷つけることがないです。比較的操作が簡単であることもメリットの一つです。接触させて計測することが難しい複雑な形状の計測を得意としています。

まとめ

今回は三次元測定機について紹介しました。三次元測定機を使うことで、ノギスなどの測定器よりも高精度に測定することができます。三次元測定機を用いることで高精度な品質管理をすることができるため製品の質を向上させることができます.

以上、三次元測定機とは、その使用方法、種類と特徴について解説いたしました。

加工の相談窓口を運営している株式会社今橋製作所では、本記事で解説しました三次元測定機2台を保有しております。3Dモデルを基に測定プログラムを生成することができる最新鋭のソフトウェアを用いて、数のある製品についても同条件にて測定することが可能です。
自社加工品はもちろん、調達品においても高精度な検査・測定を行っておりますので安定した品質での対応が可能となっております。単純形状や複雑形状の加工・部品の調達代行・技術相談も承りますので、ぜひ一度ご相談下さい。

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